日本が誇る世界的に有名なインダストリアルデザイナー「柳宗理」
バタフライスツールやエレファントスツールなど数々の名作をデザインし、世界の名だたる美術館に収蔵されている世界的にも評価が高いデザイナー。
家具以外にもカトラリーやキッチンアイテム、東名高速の防音壁、グラフィックなども手掛けています。
今回はその柳宗理がデザインしたものの中から「家具」をピックアップして紹介したいと思います。
他にも剣持勇・ウェグナー・ヤコブセン・アアルトなどもまとめていますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
柳宗理とは
1915年 東京都生まれ
父は日本民藝館の創設者・柳宗悦です。
1935年 東京美術学校洋画科卒業
1940年 シャルロット・ペリアンの日本視察の通訳として、日本各地の工芸指導所を訪問
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右端が柳宗理、その隣がシャルロット・ペリアンです。
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1942年 坂倉準三建築研究所入社。
坂倉準三はル・コルビュジェの事務所で働いた経験もある日本を代表する建築家。
1950年 柳工業デザイン研究会を設立
1955年 金沢美術工芸大学産業美術学科工業デザイン専攻教授に就任
1957年 ミラノ・トリエンナーレで「バタフライスツール」「白磁土瓶」が金賞を受賞
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1958年 「バタフライスツール」がニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久展示(パーマネントコレクション)に選定
1964年 東京オリンピックのデザインポリシーに参加。トーチなどをデザイン。
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1972年 札幌オリンピックのデザインポリシーに参加。聖火台・トーチなどをデザイン。
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1977年 日本民藝館館長に就任
1981年 紫綬褒章を受賞
2002年 文化功労賞を受賞
2011年 死去
代表作
多くの名作を遺されていますが、今回は家具・インテリアに絞って紹介します。
スツール
バタフライスツール
柳宗理といえば真っ先に「バタフライスツール」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
1956年にデザインされた日本を代表するスツール。
製造は成形合板で有名な天童木工。
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つくりは2枚の成形合板を真鍮の金具で留めるだけという非常にシンプルな構造。
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座るのはもちろん、置いたときのたたずまいも絵になる名作スツール。
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エレファントスツール
1954年にデザインされた「エレファントスツール」
1954年にデザインされ、1956年にコトブキから製品化。当時はFRP(Fiber Reinforced Plastics/繊維強化プラスチック)で作られていました。
2000年にはトム・ディクソンの目に留まりイギリスの「Habitat(ハビタ)」から復刻されるも2002年に廃番。
2004年にVitra(ヴィトラ)から環境負荷が低いポリプロピレンに素材を変更して復刻されており、現在も作り続けられている名作の1つ。
私もかれこれ10年以上使用しており、今も現役で活躍中。こちらで詳しく紹介してます。
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スツールならアアルトスツールやウルムスツールもお忘れなく。
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紋次郎スツール
1972年に開館した栃木県立美術館の什器としてデザイン。
そのスツールが元となっており、後にティーテーブルを加えて1974年に天童木工より商品化。
天童木工ではケヤキで製造され、1990年代になるとBC工房に移り脚もチーク材で作られたものもありました。2007年からは飛騨産業よりオーク材で復刻生産。
紋次郎スツールはこちらで詳しく紹介してますので、ぜひあわせてチェックしてみて下さい。
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柳 三角スツール
1997年にBC工房から発表された製品を、柳工業デザイン研究会の監修の下、座面の高さや材質をリ・デザインし、モノモノが復刻販売。
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今は廃番になっていますが、背付きのタイプもありました。製造は北海道の山上木工。
他にもおすすめのスツールはこちらで紹介してます。
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チェア
柳チェア(アーム)
1972年に秋田木工で試作するも強度不足で製品化されず、1978年に天童木工でマコレ材を使用して製品化されたました。
その後廃番になり、1990年にBC工房から復刻、2007年には飛騨産業から復刻され、現在も製造され続けています。
BC工房のものは座面等の形状が一部変更されましたが、現在はオリジナルと同じデザインに。
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背もたれからアームにかけての曲木が美しいアームチェア。
柳チェア
先ほどのヤナギチェアのアームレスタイプ。
1978年に天童木工、1990年にBC工房、2007年~飛騨産業。
飛騨産業などの飛騨高山の人気家具メーカーはこちらで詳しく紹介してます。
約1300年前、飛騨の匠は中央政府の要請で都に上り、平安京や平城京、法隆寺、東大寺などの建設に携わりました。飛騨国は優れた木工集団の提供と引き換えに税を免除されるという他にはない特別な扱いでした。この時に培った技術と木材知識[…]
曲木ダイニングチェア
1967年に秋田木工から発表された椅子。
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秋田木工の曲木の技術を大いに活かしたデザイン。しかもこの椅子、スタッキングできます。
現在は作られていないようなので、ぜひ復刻してほしいですね。
秋田木工といえば、同年代の剣持勇のスツールなどが有名ですね。剣持勇についてはこちらで紹介してます。
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サイドチェア
1969年にデザインされたサイドチェア。
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一時廃番となり、コトブキ60として再販されるも現在は作られていません。
イームズのシェルチェアを彷彿させるデザイン。
→イームズ好き必見!「イームズを読み解く」は永久保存版に認定!
イームズはもちろん、家具やデザイン好きな人にぜひ読んでいただきたい素晴らしい本が出版されました。その名も…「イームズを読み解く」~図面からわかった、その発想とデザイン~著者 寺原 芳彦出版 誠[…]
スタッキングチェア
1998年に天童木工より発表したスタッキングチェア。
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シンプルながらも、背もたれなどに見られるやわらかな曲線が柳宗理さんらしい。
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1915年生まれなので、83歳の時の作品。恐るべし…
シェルチェア
先ほどの椅子と同じ1998年に天童木工でデザインした椅子。
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腰のところのデザインが特徴的。
一体成型の背もたれは程よい弾力があり、座り心地も抜群。
柳宗理さんのマークにも通ずるものがありますね。
天童木工の名作家具などはこちらで詳しく紹介してます。
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テーブル
丸テーブル
飛騨産業でヤナギチェアを復刻する際、合わせて使えるようにデザインされました。
紋次郎ティーテーブル
1974年にデザイン。
現在のモデルは、柳工業デザイン研究会監修の元、一部アレンジを行い復刻。
単体でも十分きれいですが、スツールと組み合わせるとより雰囲気が出ますね。
ダイニングテーブル
スタッキングチェア・シェルチェアとともに1998年にデザインされたダイニングテーブル。
スタンダードな形状はまさにロングライフデザイン。
ダイニングテーブル
こちらは1969年にコトブキのためにデザインしたものを柳宗理さん没後に柳工業デザイン研究会と天童木工で現代のサイズ感にリデザインし製品化。
スチール脚が軽やかな印象を与えます。
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シェルチェアとの相性抜群。
他
棚・シェルフ
2000年に大谷産業から発表したシェルフ。
前板を緑や赤などにしたものもあります。
交流があったシャルロット・ペリアンのシェルフの影響も見受けられますね。
ミラー
1977年にデザインしたミラー。
曲木を得意とする秋田木工の技術を見事に駆使した作品。シンプルで無駄をそぎ落とした形状はまさにグッドデザイン。
東京・六本木にある 21_21 DESIGN SIGHT の「The Original」展でも展示されていました。
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照明
1979年にデザインされた照明は、FRPに和紙を張って成形。
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1980年にイタリア・ミラノで開催された「柳宗理展」で多数使用されたようですが、量産化できず商品化されていないようです。
先ほどのはシングルでこちらがトリプルタイプ。
これ、今の技術でぜひ商品化してほしいですね。
まとめ
どれも名作ばかりでさすがとしか言いようがないですね。
家具以外にもカトラリーやキッチンアイテム、陶器、グラスから、1964年開催の東京オリンピックのトーチホルダーや車、東名高速の防音壁、グラフィックなどマルチな才能を発揮した柳宗理。
これからも長く長く愛されることでしょう。
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