今回はYチェアについて。
北欧家具特集があると必ず紹介されるほど人気が高い椅子です。家具が好きな人ならどこかで一度は見たことがあるんじゃないでしょうか。
Yチェアとは
北欧家具の中でも知名度抜群のYチェア。北欧家具のアイコン的存在にもなってますね。 あまりにも人気がありすぎて、残念ながらリプロダクト品も多く見かけます。
ウィッシュボーンチェアとも言われますし、CH-24とも呼ばれます。材はビーチとオーク、アッシュ、ウォールナット、チェリーがあります。
仕上げはソープフィニッシュ、オイルフィニッシュ、ラッカーがあります。材にもよりますが、個人的には経年変化を楽しめるオイルフィニッシュが好きかな。
ちなみにYチェアと同じぐらい人気があるのが、アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)のセブンチェア(Seven Chair)。
ウェグナーが若いころ、アルネ・ヤコブセンの事務所で働いていたって知ってましたか?
アルネ・ヤコブセンとハンス・J・ウェグナーには繋がりがあるんですが知ってますか?実は、上司と部下の関係でした。意外ですよね? アルネ・ヤコブセン事務所にて実はウェグナーは1940~43年ごろまで、ア[…]
ウェグナーの親友といえば、そうボーエ・モーエンセン。あわせてどうぞ。
玄人(くろうと)という言葉の響きが好きです。今日はその言葉がぴったりなあの方について。 Borge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)Borge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)って渋いですよ[…]
話を戻しますね。
Yチェアのデザインは1949,50年です。
当時のカール・ハンセン(Carl Hansen)の社長が展示会に出展していたハンス・J・ウェグナー(Hans J Wegner)の家具を見て一目惚れをして、自宅?別荘?に招いて3週間程度で作り上げたとか。
ザ・チェアやチャイニーズチェアをカール・ハンセンが得意とする機械加工を駆使した量産に向いたデザインにすることで、手加工を極力少なくし、量産ベースにすることで、価格をグッと抑えました。
こちらがザチェア。
家具について書こうと思うと、やっぱりまずは椅子かなということで、今日は椅子について書きます。まぁ、しばらく椅子中心になるかと思います。椅子といっても世の中にはたくさんあって、色々好きな椅子もあるんですけど、まずは「ザ・チェア[…]
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こちらがチャイニーズチェア。
メーカーが得意とする加工法まで考えてデザインできるところが、家具マイスターの資格を持っているウェグナーならではですよね。
ウェグナーというとどうしても機械とは無縁のように思っている方も多いんですが、実はウェグナーは機械の利用を推しているんですね。人間の手加工には限度がある為、機械を使って品質が落ちなければ機械を積極的に使うという考えの持ち主でした。
非常に合理的な考えですよね。
だからといって、機械ばかりを使った製品が多いかというとそういうわけではないですよ。タイプは全く異なりますが、バレットチェアとかベアチェアとかはどうみても手仕事ですよね。
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作り手の独りよがりな製品って世の中に多く存在するんですけど、ウェグナーにはそのようなことは全くないんです。その工場・メーカーが得意とする製品づくりを徹底して行うのがウェグナー。
さすが巨匠と言われる所以ですね。
この機械をうまく利用するという考えが詰まった椅子こそがこのYチェアじゃないでしょうか。デザインされて70年経つ椅子が未だに人気があるって、本当素晴らしいですよね。今後も人気が衰えることはないでしょう。
座り心地
肝心の座り心地ですが、私は正直普通です。可もなく不可もなく。
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シートのペーパーコードが使ううちに良い意味でのへたりが出てきて、座る人のお尻のかたち・サイズになじむようになります。なので使えば使うほど、座りは良くなると言っても過言ではないです。長年使用して緩んできた場合も張替えができるので安心ですね。
ペーパーコードの座りがイマイチで失敗したかなという方には専用のクッションがおすすめです。これを使えば座りはだいぶ改善されますよ。
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背もたれ~アームは1本の丸棒を曲げてますが、少しでも背当たりを良くするために背の部分は直線に削られて、背が当たる幅を広くしています。個人的には座面より背もたれがやや痛いかなという感じです。
結局は好きな椅子を使う満足感も座り心地に影響するので、好きな椅子に座ることをおすすめします。
余談 限定Yチェア
ウェグナーの誕生日を記念して、Carl Hansen(カール・ハンセン)より、毎年販売されている限定のYチェアをご紹介。
2017年 エルム材
2018年 神代木を再現したエインシエント(Aincient Oak)
2019年 ゴート(山羊)レザー×ウォールナット
2020年 グロッシー ネイビーブルー(Glossy Navy Blue)
2021年 マホガニー材
全くの余談ですが、ハンス・J・ウェグナーのJって何か知ってますか?
ヨルゲンセン(Jorgensen)の頭文字です。
あと、面白かったのがコストコでYチェアを売っていたという情報。
「コストコで2脚セットで売ってたYチェア ビックリの価格でした。 ラッキーな買い物できた。...」stcm.homeのイ…
2脚で119,800円というセール価格です。中古価格!ワケアリ価格か!という安さですね。運よく出会った方が羨ましいです。
おすすめの本
Yチェアを購入する前にぜひ読んでいただきたい本があります。
本のタイトルは「Yチェアの秘密」です。騙されたと思って読んでみてください。
→北欧家具の定番「Yチェア」を買う前に必ずやってほしいこと。
今回はデンマークの椅子、ハンス・J・ウェグナーのYチェアについて。Yチェアについては以前も取り上げましたが、[sitecard subtitle=関連記事 url=https://kagu.tokyo/entry/ychai[…]
Yチェアやザチェアなどの北欧の名作椅子がバラバラに。
こんな素晴らしい本が発売される日が来るとは…北欧ヴィンテージ家具ファンなら必ず見てほしい本「名作椅子の解体新書」が発売されました。見ないと損しますよ。 名作椅子の解体新書 見えな[…]
他にもおすすめの本をいくつか紹介。織田憲嗣先生の本は間違いありません。
枻出版の本はいいですよ。
枻出版といえば、「美しい椅子」です。世界で一番好きな本。
みなさん椅子は好きですか?これを見ているということは間違いなく、椅子好きな人でしょうね。私もみなさんと同じで椅子が好きです。好きを超えて、愛してます。。 私が椅子を好きになったきっかけは島崎信さんが[…]
おすすめの本はこちらでも紹介してます。
ウェグナーが好きなら…
全国のおすすめの北欧ヴィンテージショップを都道府県別にまとめてます。ウェグナーが好きなら要チェック!
おわりに
いかがでしたか。
Yチェア人気はすさまじいですね。これからもずっと売れ続けるんでしょうね。ウェグナーもさぞかし喜んでいることでしょう。
では、今日はこのあたりで。