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カール・ハンセンやハンス・J・ウェグナーのことは知っていてもSALESCO(サレスコ)のことを知っている人は少ないのではないでしょうか。
今回はサレスコを紹介したいと思います。
ハンス・J・ウェグナーについてはこちらで詳しく紹介してます。
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SALESCO(サレスコ)とは
サレスコとはウェグナーの家具を各メーカーが得意分野に応じて家具を製作し、それを共同で販売する団体。
1951年に活動し始めましたが、組織化されたのは1955年。当時のデンマークは外貨を稼ぐために輸出に非常に力を入れていました。
参加したのは、5社。
Carl・Hansen(カール・ハンセン)
Andreas Tuck(アンダー・タック/アンドレアス・タック)
GETAMA(ゲタマ)
AP stolen
RY Mobler
今ではカール・ハンセンしか残っていませんが、名だたるメーカーばかりですね。
当時のデンマークの人口は400万ちょっと。現在でも570万程の小さな国ですので、自国だけに頼るには規模が小さすぎるので、サレスコを設立し、海外に打って出ました。
外貨を稼ぐことは大事ですもんね。
他にもPeter Hvidt & Orla Molgaard-Nielsen(ピーター・ヴィッツ&オラ・モルガード・ニールセン)のAXチェアで有名なPORTEXも輸出に力を入れてました。
左から2番目がAXチェアです。
もちろん輸出となると輸送費が重くのしかかるので、AXチェアはノックダウンになってます。
E・Kold・Cristensen(アイヴァン・コル・クリステンセン)
ちなみにサレスコを率いていたのは誰か知ってますか?
E・Kold・Cristensen(アイヴァン・コル・クリステンセン)です。
ん?
んん?
どういうこと?
E・Kold・Cristensen(アイヴァン・コル・クリステンセン)って、あのEKCのこと?
ビンテージ好きの人なら知ってますよね。そうです、ポール・ケアホルムの家具のメーカーですよね。
PK24、PK71、PK101 や
PK20などなど。
かなり意外でしたが、コル・クリステンセンがサレスコを率いていました。
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ウェグナーとコル・クリステンセンが関係していたこと自体が驚きですよね。
サレスコが設立する前にCarl Hansen(カール・ハンセン)とAndreas Tuck(アンダー・タック)は、E・コル・クリステンセンを営業として雇っていました。
営業としてですよ?それもビックリですよね。
まだまだ続きますよ、ビックリが。。
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それで、コル・クリステンセンがウェグナーのデザインに惹かれ、カール・ハンセンの社長に紹介したそうです。
そこから、CH23やCH24(Yチェア)などをデザインするという流れです。
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コル・クリステンセン、恐るべし。。
コル・クリステンセンがいなければ、もしかすると今のカール・ハンセンはなかったのかもしれませんね。。
ちょっと話はそれますが、せっかくなのでEKC関連の写真を。
EKCの店舗のサインとして使用されていたもの。
サインのスケッチですかね。右下には店舗のデザインがあります。
家具の刻印では、このマークを90度右に回転させて下にDENMARKと入るんですけどなんで向きが違うんですかね。。それともあえてDENMARKの字を縦にしたのか。。
では、本題に戻りましょう。
SALESCO(サレスコ)設立
Carl・Hansen(カール・ハンセン)とAndreas Tuck(アンダー・タック)から始まり、その後に、RY Mobler、GETAMA(ゲタマ)、AP stolenが加わり、1951年にSALESCO(サレスコ)として活動を始めました。
最近、北欧ビンテージがかなり一般的にも浸透してきましたよね。その中でもソファで断トツの人気を誇るのがハンス・J・ウェグナーがデザインしたGETAMA(ゲタマ)のソファ、GE290ではないでしょうか。他にもゲタマのソファはいく[…]
サレスコのトップにはコル・クリステンセンが就任し、ハンス・J・ウェグナーの家具を世界に売り込み、大ヒット!!
当時はザ・チェアや JH701 の製造でも有名なJohannes Hansen(ヨハネス・ハンセン)でもウェグナーはデザインをしていましたが、職人気質なところもあり、やや高価になっていました。
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ヨハネス・ハンセンと比較するとサレスコは各メーカーの得意分野に注力することができ、数もまとまって作ることができたので、価格も抑えることができました。
特にアメリカでは大ヒットし、ハンス・J・ウェグナーは一躍世界で有名な家具デザイナーとなります。
当時のアメリカでは工業製品が多く出回っており、それに見慣れてしまったアメリカの人たちには新鮮に映ったんでしょうね。
コル・クリステンセン脱退=サレスコの衰退
しかし、1955年に若く才能があるポール・ケアホルムと仕事をしていくことを選んだコル・クリステンセンはサレスコを離れました。
なんか嫌な予感がしますね。。
その後、1960年代ごろから徐々に衰退が始まります。
やっぱりか。。
GETAMA(ゲタマ)が脱退
1969年に恐れていたことが現実となります。
GETAMA(ゲタマ)がサレスコから脱退することなりました。
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GETAMA(ゲタマ)はサレスコの中でも規模が一番大きかったので、サレスコにとっては大きなダメージとなりました。
その後、ウェグナーとサレスコの関係は悪くなる一方で、関係は途切れることに。。
遂にこの時が来たかという感じですね。。
Andreas Tuck 倒産
アンダー・タックはテーブルをメインに製造してましたが、1972年に倒産してしまいます。
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テーブルの供給元がなくなって一番困るのはどこでしょう。そうです、Yチェア等の椅子をメインに作っているカール・ハンセンです。
ウェグナーのテーブルの製造権はカール・ハンセンという話も出ていたようですが、結局、PPモブラーになりました。
技術的な問題もあったかと思うんですが、同じサレスコで頑張っているカール・ハンセンにライセンスを移してもよさそうですもんね。
この時、ウェグナーはサレスコを嫌っていたのかもしれないですね。。
AP stolen 倒産
1974年、AP stolen が倒産します。
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悪いことは続きますね。。
これで、残ったのはカール・ハンセンとRy Moblerのみとなったので、サレスコは事実上の解散となります。
もう終わりかと思ったあなたは、まだまだ甘い。
Ry Mobler は当時 Soren Willadsen(ソーレン・ウィラッドセン)と共同経営をしていたので、カール・ハンセンを加えた3社でサレスコのような販売会社を作ったんですね。
結果、どうなったと思いますか?
はい、ダメでした。
さっきもう終わりと思ったあなた、強ち間違いではなかったですね。。
Ry Mobler・Soren Willadsen(ソーレン・ウィラッドセン)倒産
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1980年代半ば、Ry Mobler と Soren Willadsen(ソーレン・ウィラッドセン)が倒産したことで、すべては終わりました。
残ったのはカール・ハンセンのみ。。何か寂しさを感じますよね。
もちろんデンマークには他にもフリッツ・ハンセンやフレデリシアなどありますが、この状況は一時代を築いたデンマーク家具の衰退を意味しているのかと。。
おわりに
いかがでしたか。
このような複雑な経験があったからこそ今のカール・ハンセンの躍進があるんでしょうね。
Rud Rasumussen(ルド・ラスムッセン)やP.Jeppesen(P・J・ファニチャー)を買収したことで、カールハンセンは以前にも増して守備範囲が広がりました。
巨大化しすぎることを疑問視する人もいますが、倒産して名作が途絶えることを考えると、体力があるところが手を差し伸べて、作り続けていくというのは必然のようにも思います。
今後の展開にも目が離せませんね。
では、今回はこのあたりで。
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