東京・下北沢の 「(tefu) lounge」(テフラウンジ)で開催されていた George Nakashima(ジョージ・ナカシマ)の企画展「木のこころ」に行ってきました。
「(tefu) lounge」は、カフェやミニシアター、シェアオフィスがある複合施設。
「(tefu) 」では、北欧ヴィンテージ家具などのレンタル(※vintaging-supplies)もされており、そこに新しくジョージ・ナカシマの家具が加わるということで、企画展が開催されていました。
※vintaging-supplies
時間の経過で価値が損なわれない、むしろ時間を経ることで価値が高まり、ビンテージになる家具や日用品 “vintaging-supplies”のシェアリングサービスです。
北欧ビンテージをはじめ、家具、インテリア小物やアートなどを月額利用料のみで利用いただけます。良い家具と住むことの豊かさや、価値あるものを分かち合い使い継ぐ価値観を提案いたします。
引用:tefu HP
ジョージ・ナカシマとは
ジョージ・ナカシマは、日本人の両親のもと、アメリカ・ワシントンで1905年に誕生。
アメリカで建築を学び、ニューヨークで数年勤務後、世界放浪の旅へ。
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1934年に来日し、アントニン・レーモンドの事務所で働き、吉村順三らと出会います。
上段左から3番目がジョージ・ナカシマで、5番目がレーモンド。
第二次世界大戦中、日系人ということで収容所に入れられますが、そこで日本人大工から木工技術を学びます。
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その後自分のスタジオをニューホープに建設し、そこで多くの名作を生み出しました。
1964年には高松を訪問し、「讃岐民具連」と出会い、桜製作所と繋がりました。
1990年、85歳で永眠。
簡単な説明になってしまいましたが、こちらで詳しく紹介してますので、時間がある方はぜひこちらもどうぞ。
企画展「木のこころ」
下北沢すぐ近くにある「(tefu) lounge」3Fで開催されていた「木のこころ」展。
エレベーターで3階に上がるとすぐにウォールナットの大きな一枚板にコノイドチェアが描かれたポスターが。
中に入ると…
ジョージナカシマの作品が…
スポークバックの背もたれが美しい NEW CHAIR ARM(ニューチェアアーム)
惚れ惚れします…
こちらはアームレスタイプの NEW CHAIR(ニューチェア)
これはこれで美しい。
渡辺力の「リキウインザー」もこの椅子から影響を受けているのでは?と思ったり。
背もたれは両端のスポークを貫通させて、楔(くさび)で固定。
こういう細かなところのつくりがジョージ・ナカシマの真骨頂。
椅子の上にはスケッチも飾られていました。
これ、欲しいな…
天板は樹皮を剝いだままの ODAKYU END TABLE(オダキュウ エンドテーブル)
ジョージ・ナカシマ監修のもと、デザインはジョージナカシマの娘・ミラと孫娘のマリアが行いました。
1968年、小田急ハルクで「ジョージ・ナカシマ展」を開催しており、没後の1991年を最後に計8回開催。
そこからソファは ODAKYU CUSHION(オダキュウクッション)と命名されました。
コーヒーテーブルはMINGRENⅠ COFFEE TABLE(ミングレンⅠコーヒーテーブル)
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ディテールのこだわりがジョージナカシマらしくて良いですね。
ジョージ・ナカシマが好きな方はこういうところが好きなはず。
小田急ハルクで開催されたときもこれと同じ手のスケッチがポスターになってましたね。
娘・ミラのためにデザインした MIRA CHAIR(ミラチェア)
こちらは以前の持ち主のために作られれた別注バージョンですが、高さは3サイズあります。
ちなみにミラは早稲田大学で建築を学んでいます。
ジョージ・ナカシマと言えば、この CONOID CHAIR(コノイドチェア)を一番に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
2本の脚だけで支える片持ち式の独特な構造には、日本の伝統的な木組みが採用されています。
展示されていたコノイドチェアは、胡桃(クルミ)を使用した珍しい1脚。
座面の流れるような美しい曲線は座り心地も抜群。
美しすぎる…
コノイドチェアのスケッチ。
ダイナミックなHOLZ TABLE(ホルツテーブル)はダイナミックな印象。
天板の契りはジョージ・ナカシマデザインのポイントの1つ。
コノイドチェアの横にある照明は MINGREN ANDON(ミングレンアンドン)
名前の通り、行燈(アンドン)を讃岐民具連の建具職人の組子の技を活かしてジョージ・ナカシマがデザイン。
ジョージ・ナカシマに関連する書籍もあり、読みごたえがありました。
贅沢な空間…
朝早く行ったことで他には誰もおらず、時間を忘れてこの空間に浸っていました…
まとめ
いかがでしたか。
木を愛し、木に愛されたジョージ・ナカシマ。
以前、高松の桜製作所に行きましたが、久々にまとまってナカシマの作品を目の当たりにして興奮してしまいました!
自然をうまく取り込んだダイナミックなナカシマの作品に囲まれていると森の中にいるような心地よさを感じます。
展示会は終了してしまいましたが、香川・高松に桜製作所がありますので、お好きな方はぜひ。
高松にはイサムノグチ庭園美術館や丹下健三建築の旧香川県庁舎などもあるのでおすすめですよ。
うどん県として有名な香川県。他にも瀬戸内国際芸術祭で直島や小豆島、豊島などが有名ですが、実は高松市には巨匠の建築やデザイン、美術館などが多く存在していることは意外と知られていません。皆さんにもぜひ一度行っていただきたいおすす[…]
ジョージ・ナカシマについてはこちらで詳しく紹介してます。