今日はこのお方、Finn Juhl(フィン・ユール)です。
多くのデンマークのデザイナーの中でも異彩を放ったフィン・ユールは多くの名作家具を残しています。
Finn Juhl(フィン・ユール)
フィン・ユールは1912年生まれで、Hans J Wegner(ハンス・J・ウェグナー)やBorge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)が1914年生まれなので、ほぼ同じ時代に活躍してます。
当時、デンマークでは、Kaare Klint(コーア・クリント)の教え子たちが主流でしたが、フィンユールは一線を画した存在でした。
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コーア・クリントについてはこちらを。
みなさん、Kaare Klint(コーア・クリント)を知ってますか?最近ではハンス・J・ウェグナーやアルネ・ヤコブセンばかりが脚光を浴びてますが、彼を語らずしてデンマーク家具は語れませんからね。要チェックですよ。デンマーク家[…]
ハンス・J・ウェグナーやボーエ・モーエンセンなどは家具のマイスターの資格をもっていましたが、フィン・ユールは建築家ということもあり、作る技術は一切ありませんでした。
デメリットのように聞こえますが、個人的にはそれが逆に良かったと思っています。型にとらわれないというか、自由にデザインしているというか。
もちろん、そのためには実際に製品として完成させるためになくてはならない人物の存在があります。
それは家具マイスターのNiels Vodder(ニールス・ヴォッダー)です。
彼なくして、フィン・ユールの家具としての評価は、ここまで高くなってなかったでしょう。
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ちなみにフィン・ユールとニールス・ヴォッダーを結びつけたのはMogens Voltelen(モーエンス・ヴォルテレン)らしいです。
彼の代表作と言えばこちら。
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ニールス・ヴォッダーの後は、Soren Horn(ソーレン・ホーン)、Niels Roth Andersen (ニールス・ロス・アナセン)、Hansen & Sorensen(ハンセン&ソーレンセン)後のOne Collectionへと。
他にもBovirke(ボヴィルケ)やFrance & Son(フランス&サン)、Soren Willadsen(ソーレン・ウィラッドセン)、Baker Furniture(ベーカーファニチャー)、Ludvig Pontoppidan(ルートヴィヒ・ポントビダン)、Ivan Schlechter(イヴァン・シュレクター)などから製品を出してますね。
実はFritz Hansen(フリッツ・ハンセン)からも出してたりします。
彼の代表作・No.45(ニールス・ヴォッダー製のものはNV.45)はもう凄いとしかいいようがないです。
世界一美しい肘掛けを持つ椅子と言われています。
他にもチーフテンチェアやNo,48やNo.53、ポエト、ペリカンチェア、エジプシャンチェアなどなど、名作を多数残しています。ちなみに以前はOne Collectionでしたが、House of Finn Juhl というブランドになってます。
現行品も良いですが、ビンテージの人気も高く、庶民には到底手を出すことができないような値段になっております。数百万するものもありますしね。。アートにも近いような感覚です。
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ちなみにデンマーク家具の研究で有名な織田憲嗣さんがチーフテンチェアを手に入れた時は、全く見向きもされていない時だったので、確か数万円ぐらいで手に入れたという話を聞いたような。。間違ってたらすみません。
では、最後にいくつか写真を。
幻のNV-44。12脚しか製作されなかったそうです。
なんだろう、品格がありますよね。佇んでいる雰囲気が何とも言えない。自分もそういう男になれるよう邁進します。
では、今日はこのあたりで。