玄人(くろうと)という言葉の響きが好きです。
今日はその言葉がぴったりなあの方について。
Borge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)
Borge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)って渋いですよね。
顔も作品も。
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なんというかデザイン一つとっても実直というか、奇をてらわないというか、ベースがしっかりしているというか。
J39なんかは、もうモーエンセンそのものって!感じがするのは私だけでしょうか。
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モーエンセンのデザインに対する考え方・姿勢はFDBの開発のトップになったことも大きく影響していると思います。
当時、Kaare Klint(コーア・クリント)はデンマーク王立芸術アカデミーの家具科の教授を務めており、後任としてOle Wanscher(オーレ・ヴァンシャー)とBorge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)が候補に挙がっていたとか。
結果、モーエンセンではなく、ヴァンシャーが選ばれるのですが、美術史学者を父にもっていたこともあり、世界的な美術に関する知識を持ち、イギリスの伝統的な家具にも造詣が深ったことが決め手になったようです。
やっぱり教授となるとアカデミックな人になっちゃいますよね。
モーエンセンはより国民目線というか、FDBの仕事が向いているとコーア・クリントは判断したんでしょうね。
実際、デンマーク国民がいいものを手ごろな価格で手に入れられるようデザインしたJ39は名作中の名作だと思います。
そのJ39はアメリカのシェーカーチェアからインスピレーションを受けてデザインしています。
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シェーカー教は自分たちでコミュニティーを作り、そこで自給自足の生活を行っていました。食べ物から衣類や家具まで。
規律正しい集団から生まれた家具ですし、限られた物資の中で作られるということで、非常に実直なデザインです。
まさにモーエンセンが好みそうなデザインですよね。
デンマーク工芸美術館での1枚。 右から2番目がJ39です。Yチェアやらチャイニーズチェアやらジオ・ポンティのスーパーレジェーラなども。
FDBを離れてからは、それまでの制約が一切なくなったこともあり、スパニッシュチェアやハンティングチェア、革張りのソファなど、それまでの作品とは一味違ったものを多くデザインしてます。
解放されて、伸び伸びとやっていたであろう時のモーエンセンも好きです。
1972年に58歳という若さで亡くなったモーエンセン、もっと長生きしていれば数々の名作を世に出していたんでしょうね。
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このモーエンセン邸、カッコよすぎます…
もっと長く生きてもっともっと素晴らしいものを世に残してほしかったな…
それでは、今日はこのあたりで終わりにしたいと思います。
モーエンセンのことならこのドキュメンタリー映画もぜび。あまり知られていないモーエンセンの素顔が見られます。
北欧家具を語るうえで欠かせないのが、ボーエ・モーエンセン。そのドキュメンタリー映画があるのをご存知ですか?日本語字幕付きのDVDとして発売されてます。これはぜひチェックを!! Borge Mogense[…]