マルニ木工とは。マルニコレクション・マルニ60など。

今回は前回ちょっと触れたマルニ木工について.

 

マルニ木工

マルニ木工が設立された当時の会社名は昭和曲木木工です。

会社名にもあるように元々は曲木をメインとした家具づくりをしていました。始まりは1928年、広島にて。

1933年に沼田木工所と合併して「マルニ木工」が誕生。設立90年以上の老舗企業です。

 

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思ったより歴史があると思った方も多いのではないでしょうか。日本の家具メーカーとしてはかなりの古株なんですよね。

他に歴史があるメーカーと言えば、飛騨産業、天童木工、秋田木工あたりでしょうか。(秋田木工は大塚家具が買収してますね。)

戦時中は家具の製造はストップし、戦闘機の尾翼等を生産していたみたいですね。戦後は進駐軍用の家具を大量に生産していたようですが、これがのちのクラシックなシリーズへと繋がっていきます。

今でこそマルニコレクションの人気が高まり、深澤直人さんやジャスパー・モリソンがデザインしたシンプルなもののイメージが強いと思います。ただ、百貨店等で販売されているクラシックなシリーズもマルニとしては大きな割合を占めてます。

年配の方にはこのクラシックなシリーズは人気が高いのでしょうが、1991年には300億ほどあった売り上げも、バブル以降徐々に売上が落ちていき、一番悪い時はその1/10ほどまで落ち込んでます。

バブルって怖いですね。。

そのような中で危機感を抱き、そこから新しい取り組みを始めていきます。

 

next maruni(ネクストマルニ)

2004年に建築家・黒川雅之さんが中心となって「ネクストマルニ」が開始されたとき、衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。

私もその一人です、何だこの椅子たちはと。

現在、残っているのは SANAA(妹島 和世+西沢 立衛)のラビットチェアだけなので、このプロジェクト単体では決して成功した!というわけではないと思うんですけど、この取り組みこそが現在のマルニ躍進に繋がっています。

実際にこの後に紹介するマルニ60は、ナガオカケンメイさんがこのプロジェクトに関心を持ったことがきっかけで始まります。

マルニ木工 公式サイト - Maruni

アイテムリスト フォトギャラリー 展示店はこちら…

 

ラビットチェア / SANAA

 

maruni60(マルニ60)

2006年には「マルニ60」をスタートさせました。これは今でも人気がありますよね。ミナ・ペルホネンのdop・tambourineとのコラボレーションで若い女性の方を中心に人気が再燃してます。

特にオークフレームチェアは、1960年に「みやじま」というシリーズ名で販売されていて、1977年に廃盤となったものを復刻したものです。

「みやじま」というシリーズ名はソファを横から見た時に、宮島の鳥居のように見えることからその名前が付いたようです。

マルニ木工と厳島神社は創業時から付き合いがあるようで、マルニの家具が神社内にいくつかあり、もちろんオークフレームチェアの原型となった「みやじま」もあります。

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D&DEPARTMENTのナガオカケンメイさんが昔のカタログから見つけて、復刻にこぎつけたようです。1960年代というとデンマーク家具が世界的にも高い評価を得ていた時代ですので、ハンス・J・ウェグナーやボーエ・モーエンセンなどの影響を受けてデザインしたんでしょうね。

すごくきれいなデザインなので、今販売しても人気があるんでしょう。

 

 

 

MARUNI COLLECTION(マルニコレクション)

2010年にスタートした「MARUNI COLLECTION(マルニコレクション)」

深澤直人さんがアート・ディレクターとして加わり、翌年にはvitra(ヴィトラ)やMAGIS(マジス)、FLOS(フロス)などで世界的に有名なジャスパー・モリソンが加わっています。

HIROSHIMA(ヒロシマ)/ 深澤直人

 

MALTA(マルタ)/ 深澤直人

 

Lightwood(ライトウッド)/ジャスパー・モリソン

 

T&O / ジャスパー・モリソン

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ジャスパー・モリソン代表作

 

などがありますね。

マルニ木工はこの「MARUNI COLLECTION(マルニコレクション)」を引っ提げてミラノサローネに出展しています。日本人としてはとても嬉しいことですよね。

 

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前回も触れましたが、Apple Parkには深澤直人さんがデザインしたHIROSHIMA(ヒロシマ)チェアが大量に納品されていますし、今後世界的にもますます人気が出ていくんじゃないでしょうか。

 

HIROSHIMA / 深澤直人

 

おわりに

日本の家具メーカーは作る技術は世界的に見てもトップレベルだと思います。

ただ、デザインしたりプロデュースする人がいないので、うまく打ち出すことができずに本来の力を発揮できていなところが多々あるように感じます。海外の安価な家具が大量に出回るようになった今こそ、日本のメーカーには奮起してほしいですね。

頑張れ、ジャパニーズ家具メーカー!

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