ずっと知らずに使っていました…
ガラスの保存容器として有名な「セラーメイトの密封びん」は、使っている方も多いのではないでしょうか。
私も長年使用していますが、なんとそのデザインが島崎信さんと知ったのはつい先日のこと。
それからというものの、俄然愛着がわいてきたので、1つ買い足しました。超ミーハーです。笑
せっかくなので、みなさんにも知っていただきたいので紹介したいと思います。
セラーメイト「密封びん」
“キッチンを豊かに、暮らしを楽しく”をブランドコンセプトに1974年に誕生した星硝(せいしょう)のオリジナルブランド「セラーメイト」
星硝(せいしょう)は1962年に誕生したガラスびん関連を取り扱う商社として誕生。
今回紹介する「密封びん」は1978年に島崎信さんのデザインによって誕生しました。
以下、開発にあたる経緯。
「瓶自体は、すでに限界を感じているということなので、別のもので何がよいかと調べていくうちに、世の中の動きをみてみると、作りおきしたものを保存するための容器が見えてきた。
その典型例の一つが、梅酒などの果実酒だ。マーマレードジャムなどのように、手作りで自分なりの物を作るという、今でいうスローフーズは、ヨーロッパで見ていたし、決して古臭いことではないと、私は思った。
そしてマーケットと日本硝子の製造技術のことを考えながら、同時に生活提案を考えた上で「密封瓶」を作ろうということになった。この商品開発の最大のポイントは蓋であった。手軽に密封するための金物はどういうものがいいのか、何度も試作を重ねた。
それ以前の密封瓶の蓋は針金でできていたのだが、この時にステンレスでベルト状に作った金具が、いまではスタンダードになっている。」
出典:『島崎信展 2002 武蔵野美術大学教授退任記念 [ デザインの領域を越えて]』
北欧家具を広めた第一人者・島崎信さんデザイン
「密封びん」の紹介の前にもう少し島崎信さんについて紹介させてください。
うちのブログを見ている人は椅子好きの人も多いと思いますので、島崎信さんを知っている人も多いでしょう。
むしろ、椅子好きなら知っていて当然といっても過言ではない方ですね。
島崎信さんといえば、北欧家具を日本に広めた第一人者。
1958年にデンマーク家具の父と呼ばれる「コーア・クリント」が初代教授を務めたデンマーク王立芸術アカデミーの家具科に日本人で初めて研究員として在籍しました。
当時の家具科の教授はオーレ・ヴァンシャーで、助手を務めていたのがポール・ケアホルム。
何という顔ぶれ…
北欧家具・デンマーク家具の黄金期を実際に体感した数少ない日本人で、北欧家具の普及に大きく貢献されています。
著書「美しい椅子」は椅子好きなら一度は読んだことがあるでしょう。
私もこの本に出会ってから椅子にはまり、私の人生を大きく変えた一冊と言っても過言ではありません。
みなさん椅子は好きですか?これを見ているということは間違いなく、椅子好きな人でしょうね。私もみなさんと同じで椅子が好きです。好きを超えて、愛してます。。 私が椅子を好きになったきっかけは島崎信さんが[…]
武蔵野美術大学の名誉教授でもあり、北欧建築デザイン協会理事や日本フィンランドデザイン協会理事長なども務められています。
とにかく北欧好き・椅子好きにとっては欠かせない大先生というわけです。
その島崎信さんが1978年に手掛けたのがこの「セラーメイトの密封びん」です。
そう聞くと、俄然よく見えてきませんか…
それでは早速製品を紹介していきたいと思います。
シンプルなデザイン
無駄な装飾が一切ないシンプルなデザイン。
いいですね、美しい…
日々使うもの、目にするものなのでデザインは重要ですね。
安心の日本製
ガラス・金具・パッキン・包装箱など、すべてが日本製。
「メイドインジャパン」は大事なポイント。
ガラス
本体と蓋はソーダガラス製なので、におい移りがありません。
金具は強くてさびにくいステンレス
金具には、強くて錆に強い「18-8 ステンレス」を使用。
いかにも道具っぽい刻印の感じもたまりませんね。
少しの汚れであれば、擦るとステンレスの被膜が再生します。
持ち運びがしやすい取っ手
取っ手があるので、重くなっても持ちやすい。
細く野暮ったくないデザインもいいですね。
取っ手なしもありますが、私は持ち運びがしやすい取っ手ありが断然おすすめ。
スムーズな開閉
個人的に気に入っているところの1つが開閉のしやすさ。
バネが効いており、ポンッと開くので非常にラクですし、単純に使っていて気持ちがいい。これ、地味に大事なポイント。
1つ他のも持っていますが、この密封びんを手にしてからはこちらがメインになりました。
一度使ってもらうと間違いなく良さがわかると思います。
日々使うものなので、デザインがいいのはもちろん、使いやすいのは大事ですね。
安全性に優れたシリコンパッキン・ゴム
使用しているシリコンパッキン(ゴム)は、熱や耐薬品性に強く、安全性に優れています。
また、長期間、圧縮されても変形しにくく、気密性を保つことができます。
万が一ダメになっても替えのパッキンがあるので安心。
出し入れしやすく洗いやすい「広口構造」
口内径が86mmと広いので、出し入れがしやすい。
洗うときも手が入るので、隅々まで洗いやすいのも嬉しいポイント。
分解して洗える
さらに洗うときはフタ、パッキン、金具をすべて分解できます。
洗っていつも清潔に保てるのはいいですね。
保存容器として最適
私はコーヒーを入れて使用しており、5年以上は使っていますがどこも不具合はなく、とても気に入っています。
島崎信さんデザインと知ってからさらにお気に入りになりました…笑
ちなみにコーヒーは粉の場合、250gは入ります。
毎日見ているので気にしてはいませんでしたが、長く使用している方はコーヒーを入れているせいかパッキンの色が変色してますね。
これはこれでいい味になっていて好きです。好みは分かれると思いますが…
育てる楽しみがあるっていいですね…
こうやって見比べるとさらに愛着がわいてきました…
今回新しく購入したものにはとりあえずティーパックを入れてみましたが、まだまだ密封びんの良さを活かしきれていないですね…
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種類が豊富なので、サイズによっては梅酒や梅干し、ピクルスを漬けたりと様々な使い方ができるので、いつかは挑戦しないと…
他にもお米や玄米などを入れてもいいですし、小さいものには調味料やだし、ジャムなどを入れたりと、とにかく保存するには最適。
家庭での手作りに欠かせない保存容器として、最適ではないでしょうか。
脱気機能
食品の発酵や温度の上昇で内部の圧力が増すと、密封びんの内部のガスを外に逃がす「脱気機能」を備えています。
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この脱気機能があることで、手作りや無添加食品の長期保存も可能に。
注意点
機能性に優れた密封びんですが、注意点もあります。
密封びんは耐熱ガラスではなく、耐熱温度差が42℃なので、熱湯をかけてはいけません。
熱したときだけでなく、冷ますときも同様なので、急激な温度変化は避けましょう。
電子レンジやオーブンももちろん使えませんのでご注意を。
バリエーション・価格
今回紹介しているのは取っ手ありの1ℓサイズですが、バリエーションが豊富で、取っ手あり(4種類)と取っ手なし(2種類)があります。
価格は1,000~2,000円前後とリーズナブル。
密封びん(取手付)
バリエーションは1ℓ、2ℓ、3ℓ、4ℓの4種類。
今回紹介しているのはこちら。取っ手付きの1リットル。
こういう風におしゃれに使いこなさないといけませんね…
サイズは直径10.6cm×高さ17.7cm 口径8.6cm
サイズ感がわかりやすいようにイッタラのカルティオと比較してみました。
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左から3ℓ、4ℓ、2ℓ。
密封びん(取手なし)
0.5ℓと1ℓの2種類。
ジャムや砂糖、だしなど、ちょっとしたものを入れるにはこちらがおすすめ。
0.5ℓは取っ手なしだけの展開。
今回紹介している1ℓの取っ手なしタイプ。
個人的には中身を入れて重くなっても持ちやすい取っ手付きがおすすめ。価格差も100円ぐらいなので。
島崎信さんデザインではありませんが、「セラーメイト」には他にもチャーミークリアやワンプッシュ便利びんなどもあります。
まとめ
いかがでしたか。
シンプルなデザインはもちろん、機能性もあり、しかも日本製でリーズナブル。これに勝る保存びんはないのではないでしょうか。
さらに椅子好きとしては、島崎信さんデザインというところがもうたまらない。
知らずに使っていたけど、これを機に3ℓや4ℓも購入して、梅酒なんか漬けてみようかなと思ったり…
いや、必ず挑戦しようと思いますので、またその様子はこちらで紹介したいと思います。
みなさんもとりあえず1ついかがですか。
他にもこれまでに購入したものはこちらで紹介してますので、ぜひ併せてチェックしてみてください。
島崎信さんの美しい椅子をまだ読んでいない方はぜひ!
みなさん椅子は好きですか?これを見ているということは間違いなく、椅子好きな人でしょうね。私もみなさんと同じで椅子が好きです。好きを超えて、愛してます。。 私が椅子を好きになったきっかけは島崎信さんが[…]
他にも多くの書籍を出版されており、こちらで紹介している本の大半も島崎信さんの本です。
皆さん、椅子は好きですか?はい、私は椅子が好きです。好きすぎて、たまにお尻が5つぐらいほしいなとバカなことを考えたりします。そんな椅子好きな私が北欧家具やイス、インテリアの勉強をしたいと思っている方へおすすめの本を紹介したい[…]