近年大人気の北欧家具ですが、北欧の国を皆さんはご存知ですか?
スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、あとアイスランドを含んだり、含まなかったり。
北欧家具の中でもズバ抜けて、技術・デザインともに優れているのがデンマーク家具です。
こういう言い方をすると、他の北欧の国々の家具があまり良くないのかというと決してそういう訳ではありません。
デンマークの家具、特に1940~70年代のデンマーク家具があまりにも優れすぎているのです。一番の特長はデザイナーと作り手の関係が今と大きく違って対等なことかなと。
デンマーク家具で有名な人というと真っ先に上がるのが、ハンス・J・ウェグナー(Hans・J・Wegner)です。
※ウェグナーの故郷トゥナーにある美術館で撮影
代表作と言えば、
Yチェア
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ザチェアが有名ですね。
家具について書こうと思うと、やっぱりまずは椅子かなということで、今日は椅子について書きます。まぁ、しばらく椅子中心になるかと思います。椅子といっても世の中にはたくさんあって、色々好きな椅子もあるんですけど、まずは「ザ・チェア[…]
彼の特徴はなんと言っても17歳で家具のマイスターの資格を取得しているということです。
デザイナーである前に、職人としての力量があってこそ、数々の名作を世に残せたのではないでしょうか。
当時のデンマークでは、ボーエ・モーエンセン(Borge Mogensen)やポール・ケアホルム(Poul Kjaerholm)もそうですが、まず職人としてマイスターの資格を取得してからデザインを勉強するのが当たり前でした。
家具の根本的な構造や造りを理解していれば、デザインする際にどうすれば作りやすいか、どうした方が合理的かと自然と考えながら作れるため、良いモノが生まれやすいのです。
ただ、1つデメリットとして個人的に思うのは、知りすぎているがために、冒険ができないのかなと思ってしまいます。
実直というか、非常に真面目なデザインになるというか。
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それはそれで素晴らしいのでいいことなんですけどね。
アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)やフィン・ユール(Finn Juhl)は建築家なので、家具のマイスターの資格は持っていません。
ヤコブセンと言えば、セブンチェアやアントチェアが有名ですね。
他にもエッグチェア、スワンチェアなど数々の名作をデザインしています。
フィン・ユールは世界一美しい肘掛けをもつと言われるNo.45やチーフテンチェア、ペリカンチェアなどをデザインしてます。
どちらにも共通するのが、構造的にもデザイン的にもデザインされた40~50年代ではでは考えられないようなことをやってのけているということです。
突拍子もないデザインや構造が生まれるのは家具を知りすぎていない故かなと思います。
知りすぎていないというと失礼ですが、あくまでもウェグナーたちとの比較ですので、ヤコブセンファン・フィン・ユールファンの方はご理解を。
もちろん、作り手としてフリッツ・ハンセン(Fritz Hansen)やニールス・ヴォッダー(Niels Vodder)の力があってこそ、ヤコブセンやフィン・ユールの作品が誕生したのは言うまでもありません。
デザイナーと作り手の対等な関係こそが名作を生むんでしょうね。